産経新聞平成18年2月8日掲載 え〜美タミン NO.65
「岡山で感動の出会いの数々」
「けんたさん、吉本本社に届いてる郵便物、ダントツに多いですわぁ」とマネージャーから渡されるモノは、美術、映画、ショップの案内状、他。「えぇーと、映画の試写会状に江戸堀のカフェOPEN案内状。それに『七人の版画展』。んっ!? メンバーは?・・・オノヨーコ、高松次郎、田名網敬一、ヨーゼフ・ボイス、ローレンス・ウィナー・・・。いっ、行くぅー!!」。というわけで、新幹線に飛び乗り一路岡山へ。
《Galeria Punto zero》の藪さんとの出会いは、五年前。仕事の合間に岡山の街をブラ〜っとしてたら、ギャラリーを発見。覗いてみると、T草間彌生展Uを開催中。「これオモシロイですよ」と藪さんがみせてくれたのは、魚の切り抜きをコラージュした初期の作品。「うわぁー、こんなん観たことないですわぁ」と私が言うや否や、珍しい作品が出るわ出るわ。今回も、楽しみ!
まず壁には、オノヨーコの『IMAGINE PEACE』の貴重なサイン入りオフセットや、横尾忠則の『浅丘ルリ子 裸体姿之圖』の復刻版。それにヨーゼフ・ボイスの版画などが展示されていた。ふとテーブルをみると、オノヨーコのマルチプル作品『We're All Water 2005』があった。
BOXの中には一枚の紙があり、別紙にはT紙を水につけて下さいUと書いてある!?「つけたら、作品の領収書でもでてくるんかなぁ?」と、アホな考えしか浮かばん私は、頭を水で冷やすしかない!?のかも。
「こちらのシートもご覧下さい」と、女性スタッフが次に見せてくれたのは、色彩がガーン!とくる、田名網敬一のシルクスクリーン。そして最後に藪さんが見せてくれたのは・・・「高松次郎の『薔薇の影』の復刻版です」。
えぇー! 今まで美術館の壁でしか観たことないあの《影》シリーズに、シルクスクリーンがあったんや! それは、薄いグレーで描かれた一輪の薔薇。買い手の醍醐味はここなんです。今まで観たことない作品に出会えた瞬間、まるで女神様に出会えたような感動が込み上げてくるんです。藪さん、これからも観たことない作品、みせて下さいね。