産経新聞平成18年1月18日掲載 え〜美タミン NO.62
「万博はみんなの心に生きている」
いやぁ、寒いですねぇ。身長が七十メートルあるんで堪えますわぁ。あっ、私T太陽の塔Uといいます。そうそう、大阪万博のシンボルの。今年で、もう三十六歳ですわ。昭和四十五年の百八十三日間は、いろいろありました。足元で「♪こんにちは〜こんにちは〜♪」って皆が踊ってたり、目玉に長いこと籠城しよった目玉男がいてたり・・・。
でね、嬉しいことに、『タイムスリップ大阪万博展〜EXPO'70とその時代〜』っていう展覧会が、地元の大阪高島屋で開催されたんです。見にきはった皆さん、えらい懐かしがってはりましたわぁ。
その中でもひときわ目を引いたのは、万博コンパニオンのユニホーム。それもほとんどが超ミニ! 三菱未来館なんか、赤に白いマントみたいなジャケットでアイドルみたいやった。その他のユニホームも展示してて、ピエール・カルダン来日の写真なんかもあって、七〇年代カルチャー炸裂!
あと、「えっ!? こんなんあったんやぁ」と思ったんが、サンヨー館の『人間洗たく機』。四角いBOXに首から下を入れ、かかり湯からつかり湯、それにジャグジーでイボイボボールが体全体をマッサージしてくれるという、斬新なお風呂。そういやぁ、その当時の映像が会場で流れてた時、あるおっちゃんがボソッと言うてたなぁ。「顔洗われへんがな・・・」。やっぱり大阪のおっちゃんはオモロイ!
ミニシアターでは、万博の映像が上映されてて、長蛇の列・水浴びする子供・芝生でヘタッてる親子などが映し出されていた。
万博のテーマが《人類の進歩と調和》。インタビューを受けているおばちゃんが、「こんな進歩と調和やのうて、辛抱と我慢やわぁ」。おばちゃん、オモロすぎるわぁ。
けど、何といっても最高の功労者は、私の生みの親『岡本太郎』。造形物・椅子に、塔内のT生命の樹U。すべてがT今の感性U。ひょっとしたら、未来は過去にあるかもしれませんね。よぉーし、これからも大阪の未来を見続けるぞぉー。そう、目を光らせてね!