産経新聞平成18年1月11日掲載 え〜美タミン NO.61
「今回はバスガイド気分!」
皆様、本日は『美術館の遠足9/10 藤本由紀夫展』(十二月二十三日)にお越し下さいまして、誠にありがとうございます。
右手に見えますのが、西宮市大谷記念美術館でございます。正面の庭園では、どこからともなく「ウォーン」という電子和音が聞こえてまいりまして、お池にはTECHOUと書かれた電飾が輝いております。Tサウンドアーティスト・藤本由紀夫Uならではの演出でございます。では皆様、左奥をご覧下さいませ。お皿の上のオルゴールの機械が、ネジの加減で時折「カチャッ」という音を発しております。「日常のありふれた音にこそ面白さがある」、そんな作家の思いが伝わってくる作品でございます。
続いて、こちらをご覧下さい。このカードを機械に通していただけますか?
「気合い」
ほらっ!今カードがしゃべりましたでしょ?このカードもどうぞ。
「むーーーーーん」
こちらも・・・。
「笑わっしょんな」
・・・あらっ、あっという間にお子様に占領されてしまいました! これは言葉と声の作品で、イチハラヒロコさんとのコラボレート作品でございます。
では、アチラの展示室へ移動いたしましょう。こちらは紙に穴を開けて『rainbow』や『imagine』など、いろんな英単語を描いた作品でございます。この『the end』の下の文章をご覧下さい。T「THE END」は、鋭い切れ味を持つ言葉の一つであるU。単語から出てくるイマジネーションの響き、音まで聞こえてきませんか?
皆様、続いてはこちらでございます。おやっ? 二本の長い筒の真ん中に椅子が置いてありますねぇ。どうぞ真ん中にお座り下さい。お友達のお二人は両端から声を出して下さいますか? ・・・ほら、体全体が聴覚になりましたでしょ? 庭園の同じ作品では、風の音が聞こえてくるのでございます。いかがでしたか?
残念ながら、今年でラストになってしまいます1日限りのこの遠足。T音の異次元遊園地Uに、是非ともお越し下さいませ。では、またのご参加を心よりお待ちしております。プップッゥー!