産経新聞平成17年12月14日掲載 え〜美タミン NO.57

「アートフェアで自分発見の旅」

今年で三回目を数える、現代アートフェア『ART in CASO 2005』(11月24-27日)。会場は、大阪・南港の海岸通りギャラリーCASOで、参加画廊は十四。

キラキラとした海を眺めた後に会場入りすると、入り口で児玉画廊の女性スタッフとバッタリ。「うちの森千裕展へ是非!」。案内され、ブースを抜けると、縦長の児玉画廊ブースに到着。すると代表の児玉さんが、「あー、けんたさん。こちらのお二方とのご面識は・・・?」と紹介してくれたのは、国立美術館館長の建畠さんと、水戸芸術館の逢坂さん。「四時からイベントでトークするんです」、と建畠さんから聞いたからには、行くしかない。

森千裕さんのキュートで思わずニコッとしてしまう作品を堪能した後、二階に移動。そこで建畠さんと、「Gallery Yamaguchi」代表の山口さん、それに「graf」の服部さんが≪アートとデザインの狭間≫というテーマで、パネルディスカッションを展開していた。アートは"不健康的"でデザインは"健康的"?「アートとデザイン」が分かれていった分岐点は? "新しい"とは?

うーん、深い! ちょっと賢くなったような気分のまま、左奥の出展ブースへ移動。そこは「mori yu gallery」で、うさぎの右前足からブルーのレールが出ていて、先が顔になっている中野裕介と林泰彦の二人のユニット、パラモデルの作品を発見。他にも、屋上にブルーのレールをクネクネと敷きつめている写真パネル作品などがあり、子供心をくすぐられる。

そして右奥の「VOICE GALLERY pf s/w」に行くと、積み木のようなものがいくつか壁に張り付けてある!? 「これ、丸尾直子の作品で、高速のジャンクションなんです」。よく見ると、空白の部分がクルクルしている。カッコええなぁ。・・・んっ!?そういうたら昔から線路や洗濯機の渦を見るのが好きやったなぁ。・・・待てよ!? 
俺、クルクル・クネクネフェチかも? そして帰り道、哀愁たっぷりの倉庫街の灯りを見て、「えぇなぁ。・・・あらッ!? 俺って灯りフェチ?」。自分発見の旅は続く・・・。