産経新聞平成17年12月7日掲載 え〜美タミン NO.56

「オークションで熱い女の戦い」

十一月十一日、『南船場xgqプロジェクト 公開アートオークション』が開催された。
"南船場xgqプロジェクト"とは、南船場のショップに展示した作品を、携帯メールで入札できるという画期的なプロジェクト。その、年に一度開催されるイベントが、この公開オークション。司会は私、おかけんた。

夕方六時、降りしきる雨の中、レストラン&バー・Full Bloomに到着。出品作品をチェック。

六時五十五分、トラブル発生!「アシスタントの二人がNGだそうです」。えぇー!!
急遽、代役の女性二人を探し出し、開場の七時三十分ギリギリにリハが終了。

八時、客の入りをチェック。「うん、ええ感じや。・・・アレ!? MC席のハンマーは?」。スタッフの顔色が変わった。「大至急用意します!」。開演五分前、ハンマー到着。そして八時四十五分、ついに開演。スポットライトを浴び、三人登場!
「今夜は盛り上がっていきましょう!(ハンマーを叩く)

オークションは、FPM田中知之(DJ)のシルクスクリーンが三万円、スメリー(作家)のグラフィティが二万円、ヤマタカアイ(ミュージシャン)のコラージュが八千円、浜崎健(作家)のペインティングが五万円と次々と落札され、途中「ちょっと待った!」永井英男(作家)の小品が一万円の飛び入り出品もあり、会場は自ずとヒートアップ。

そして後半、電撃ネットワーク・南部虎弾(パフォーマー)のミックスメディアが三万七千円が落札された後に、そのドラマは起きた。
「最後の作品は、二〇〇三年ベネチアビエンナーレに出展していた、『IMAGINE PEACE』と描かれたオノヨーコのサイン入りオフセットです!」。どよめく客席。すると値は、あっという間に五万円まで上がり、場は女性二人の一騎打ちとなった。そして「八万二千五百円!」と左側の女性が言った瞬間、その隣の友達が言った一言で流れが変わった。「・・・学生なんです」。作品は学生が落札し、その周りにいた観客は何故か・・・号泣していた。

終了時間、十時三十分。本音をいうと、私もオノヨーコが・・・欲しかったなぁ。