産経新聞平成17年11月30日掲載 え〜美タミン NO.55

「アート・イベントを満喫」

展覧会のもうひとつの楽しみはイベント。大阪府立現代美術センターで開催されていた『gallerism 2005 屋台的アート』では、イベントの日に作品数点が屋外広場に展示されていた。いやぁー、外で見ると開放感があってえぇなぁ。・・・、んっ!? 上から声が聞こえる??

階段を上がると、巻物を見せながら「さくらんぼを種ごと食べたら、頭から芽が出てきよった」と語っているおじさんがいる。これ、、巻物紙芝居や! 東野健一さんは、世界のお話を巻物で見せて語るという絵巻物師。
ちなみにこのお話は、落語の"頭山"。そしてその奥の展示室には、出品作家の作品がズラ〜リ。
この中で私がニヤッとしてしまったのが、木内貴志の『お茶をあつめて〜ギャラリー十四ヵ所巡り〜』。参加ギャラリー十四を回り、お茶の出たギャラリーのお茶をブレンドした、飲むアート≪ギャラリー十二茶≫。初日には、試飲会を催す程のシブさ。そんな中「ドキュメント映像の最後にカラオケ歌ってるんで見にきて下さい」という作家の木内さんの言葉にキョトン!?としながら、『幻灯と明治アニメとおもちゃ映画』の会場へ移動。

百年前の映写機で見る、日本最古のアニメーション。「昔は興行師が年に一度農家に行き、『これが都会の娘さんだよ』と言って幻灯を見せたもんです」と教えてくれたのは、研究家の松本夏樹さん。で皆さん、日本最古のアニメってどんなんやと思います? 実は、少年が右から活・動・写・真と書き、ニッコリするだけの映画。けど当時はこれで拍手喝采やったんですよ。

あと『のらくろとミッキーマウス』!?などがあり、ノスタルジック感満載の一時間。他にも取り壊される建築物からウクレレを作る、伊達伸明さん他のショーもあり、大満足。「芸術の伝承って大切やなぁ。よし帰ろ・・・あっ、カラオケや!」と気付き行ってみると、ちょうどエンディングの木内さんのカラオケシーン。

≪はっぴいえんど「風をあつめて」の替え歌≫
♪お茶をあつめて〜
血糖値下げたいんです

えっ、これってオチ?
おもろすぎるでぇ、十二茶はん!