京都市美術館で、十月十六日まで開催されている『ルーヴル美術館展』に行ってきた。まず到着して目に付いたのが"LOUVRE"の文字。なんか期待感が膨らみ、いい感じ。「よし!」と、館内へ入ってみると、「めっちゃ人多いやん!」。やはり、"ルーヴル"というブランドは大きい。
今回の私のお目当ては、ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングルの『泉』(一八二〇―五六年)と『トルコ風呂』(一八五九―六三年頃)。ほらっ、あの裸婦が水瓶の水を溢してる絵と、裸婦がたくさん描かれてるまぁーるい絵っていったらわかります? というわけで私は、浅瀬の藻をかき分けるようにして前へ進み、海水浴ならぬ絵画浴を楽しむことにしました。
展示は、十九世紀の作品が中心。顔の上に輪がついた娘の遺骸が川に浮いているのを描いた、ポール・ドラローシュの『若き殉教の娘』(一八五五年)や、ナポレオン伝説の成立に大きな役割を果たした、ジャン=ピエール・フランクの『エジプト遠征からのボナパルト帰還前のフランス国家の寓意』(一八一〇年頃)には、ただただ感動。
そして、ついに念願の『泉』とご対面。「うわぁー、なんて水面が綺麗なんだろう」。私は、聖なる透明感に魅せられ、暫し絵画浴。次のお目当ての『トルコ風呂』へ。作品が円形なんで、覗き窓から覗いているような感じ。湯気や熱気、そしてご婦人方の話し声までが想像で膨らんでいき、思わずその時代にタイムスリップしてしまう。千三百円でタイムマシン気分・・・、安い!以上、これが私の楽しみ方。けどなかには、ずぅーと喋りっぱなしのオバさまなどがいて面白かった。「いやっ、奥さん、あれミレーと違うのん? ほら、あれ。・・・あっ、やっぱりミレーやん。・・・上手やわぁ」
<私>当たり前です。
「あっ、奥さん向こう見て。えらい大作やんかぁ。(小声で)おっきいのんて難しいねんでぇー」
<私>おたく何者?
ルーヴルの楽しみ方も人それぞれ、ってことですわぁ〜