産経新聞平成17年8月24日掲載 え〜美タミン NO.43

「万華鏡で"宇宙"を体感」

今年もOCATギャラリー(大阪市浪速区湊町)で、『魅惑の万華鏡展』が開催された。皆さんがよくご存知なのは、ビーズやいろがみを切ったモノがカシャカシャと動くアレですよね?ところが、最近の万華鏡はスゴいんです。オイルの中に様々な小物類を入れ、それが動くことにより、色・カタチ・光が、もうこの世のものとは思えない程の美しさに変貌するんです。で、それを見た大阪のお客さんの反応は・・・「うわっ、美川憲一や!とか、叶姉妹や!小林幸子や!と何かに例えるのは、大阪だけなんですよ」と語ってくれたのは、ギャラリー ヴィヴィアンの緒方さん。

やはり大阪人には、漫才師のDNAが受け継がれているのだろうか?でも、えぇ年したおっちゃんやおばちゃんが思わず「うわっ!」って声をだしてしまうものって、貴重ですよね?万華鏡の絵柄が同じになる確率は二億分の一。その『一』が自分の感性にピタッとあった時「うわっ!」と声が出てしまう。
 
中にカラーガラスが入ったもの(ステンドグラスのよう)、羽根(中に風を送り踊らす)、そして3D。そうなんです。覗くと星型の立体が浮いていて、側面をライトで照らすとレーザー光線のようなモノが走り抜けるんです。デビッド&ナダレスギッチ(米)は、こうした3D作品を制作している。けど、海外作家の展示はよく目にするけど、日本はどうなんだろう?

実は嬉しいことに、日本人作家の作品が毎年増えてきているんです。私が気に入った作家は二人。まず石村愛は、水間に揺れる宝石のような清涼感を表現した作品や、伊勢型紙を使い、切り絵的な世界を表現した作品を発表している。

もう一人は、国内外で賞を受賞している切敷章。作品を覗いてみると・・・、うわっ、鮮やかな3Dの土星が浮いてる! 行ってみたいなぁ、土星・・・、そんな夢物語を独り占めできるアート『万華鏡』。えっ何!?
お前は万華鏡持ってないのかって? 勿論、我が家に三十個程あります。ちなみに覗かないで下さいね、我が家は!