産経新聞平成17年7月13日掲載 え〜美タミン NO.37

「ケンタくんのゴッホ展日記」
今回は小学生の日記風でお届けします。
≪ケンタのゴッホ展日記≫
今日お父さんと、ゴッホ展を見に行ってきました。
ちかてつひご橋駅をおりたら、たくさん人が歩いてて
「これみんなゴッホやで」
とお父さんが汗をふきながら言いました。

橋をわたると国立国際びじゅつかんが見えてきて、ちょっとドキドキ!
「中学生以下は一人までタダやねんでぇ」とお父さんは嬉しそうに言い、中へ入りました。
中はデパートのように人がいっぱいいて、小さいボクにはよく見えません。
早く大きくなりたいなぁ。
そしてお父さんが「あっち空いてるわ」と連れていってくれたのは、『古靴』という絵の前でした。
「ボロボロの靴の絵やなぁ。これは売れんわ」。
ゴッホは生きてる時は絵が売れず、死んでから売れたとお父さんが教えてくれました。
次に行くと、日本のうきよ絵がガラスに入っていました。
ボクが、広重という人の『大はしあたけの夕立』を見て
「ほんまに雨がふり出してきたみたいやぁ」とボクが言うとお父さんが、
「ゴッホはこんなん見て勉強してたんやで」と教えてくれました。
それから、スーラやシニャックの点描をまねした絵がつづき、
あるところから急に絵が明るくなりました。
「やっぱりアルルからがゴッホやなぁ」とお父さんが言ったとおり、
太陽の光をいっぱいあびて、生きる希望みたいなものがあふれていました。
アルルって、えぇとこやねんやろなぁ。

ボクは、後ろが緑色で兵隊さんをかいた『ミリエの肖像』が気に入り、
お父さんはゴッホが住んでた『黄色い家』が気に入ったみたいです。
その後、ミレーなどを見て、ゴッホはいろんな人の絵を勉強して、
アルルで花ひらいたということがわかりました。

帰りしなお父さんが「今日はゴッホの作品を見ただけでなく、ゴッホ自身をみたような気がするなぁ。
よし、今夜は日曜大工ならぬ日曜画家するぞ!」とはりきって絵の具を買って帰りました。
ボクもかこかなぁ・・。

お父さん、またびじゅつかん連れてってね!