産経新聞平成17年3月30日掲載 え〜美タミン NO.23

「体感!!金沢21世紀美術館」」
雪まだ残る金沢。私はアートの師である橋口さんと、作家の永井英男氏と共に、金沢21世紀美術館の開館記念展『21世紀の出会い-共鳴、ここ・から』へ行ってきた。
まずびっくりしたのは、金沢駅入り口にある大きな鳥居型のモニュメントと、浮遊する白いネットの広場。・・・以前余興で訪れた金沢駅とは違う・・・、そう感じながらタクシーに乗り、10分程でUFO型の金沢21世紀美術館に到着。
まずは、レアンドロ・エルリッヒ作「スイミング・プール」へGO!プールを覗いてみると人影が!?・・・なんで?
実はこのプール、ガラス上に10センチ程の水がはってある偽物。けどガラスの下へ行くと、本当にプールみたいな臭いがする。そしてスロープを降り、我々の目の前に現れた光景とは・・・!

眩しいばかりのエメラルドブルーの光が水面下に広がり、まるで水の精が舞い降りてきたかのよう。「あぁ。底って気持ちえぇ〜」と、プールでは決して深い方には行かない私も、我を忘れ、キラキラと暫しお戯れ。光浴を満喫したあとは、床にガラス玉が転がっている展示室へ。

モナ・ハトゥムの「地図」は、ガラス玉で作った世界地図。ちょっとしたことで崩れてしまうビー玉で、今の世界情勢を表現している。んっ、世界が崩れぬよう、何とかしなければ・・・と、一人国連してしまう作品。

そんな展示作品の中で、私の脳裏に焼き付いて離れない一枚の写真がある。コロンビアの密林に住む少女が、毎朝ズタ袋に弟を入れ、高度三百六十メートルから、ケーブルに滑車と木の枝をひっかけ、時速六十キロという猛スピードで降下し、小学校へ通っている写真。クリストフ・オットーの「学校へ飛行するデイジー」という作品だ。飛行!?唖然。

そして最後に覗いた場所は、ヤノベケンジの工房。ここは無料で製作過程を見学することができる。この美術館、このような無料ゾーンがたくさんあるのが嬉しい。これから21世紀アートはまさに『ここ・から』始まるのかもしれない。金沢、今度はマッシュ・バーニーで逢いましょう!