産経新聞平成17年2月23日掲載 え〜美タミン NO.18
「夜のわが家で宝探し」
「真夜中の宝探し」、それはよいこが寝静まった頃、始まる。
スエット上下にマスク、首にはタオルを巻き、手には黒いビニール袋。
こっちの荷物をそっちに置き、あっちの荷物をこっちに置き、気が付きゃ部屋はテトリス状態。
GAME OVER寸前!あぁ、わが家で遭難しそう!?" HELP ME〜!!"
皆さんも大掃除してて、こんな経験ありますよね? えっ、ない!? こりゃまた失礼しましたぁ〜。
けど、大掃除って宝探しに似てませんか?
「あっ、こんなんあったなぁ〜」とおもうモノが出るわ出るわ!
未読の単行本、貰いモンのお土産、古いアルバム…。
「あぁ、思い出すなぁ….」。オッと、思い出に浸っていると朝になってしまう。
急がなければ!
そして、疲れたので少し休憩しようと思ったその時です。
段ボールの中に長細いケースが!?「んっ?何やろ??」と、そぉーと開けてみると…。
それは、十年くらい前に購入した草間彌生のかぼちゃが描かれた限定ウォッチ。
「うわぁー、懐かしいー!」。
購入したギャラリーは、当時JR大阪駅構内にあったセルビスギャラリー。
いろんなジャンルのアーティストが文字盤をデザインし、それを展示即売していた。
私はそこの予告でこの企画展を知り、初日に会場へ行き、草間彌生のウォッチをGET!
私の草間歴は、アートに興味を持ち始めた十数年前に遡る。
日々ギャラリーを回っていた頃、常設店でよく目にしたのが草間作品。
水玉、かぼちゃ、ネット、増殖と、一度見たら忘れられない作品群に魅せられ、
私はいつのまにか草間作品の購入を、ひとつの目標としていた。
あらゆるモノに、水玉がついているように見えてしまう草間は、
それを絵や立体で表現し、自分のスタイルを確立していった。
「よし、今開催中の草間展に足を運ぼう」そう心に決め、掃除を再開。
暫くすると、何やらキラッと光るモノが!?
あっ、宮島達男のビデオ作品や!うわぁー懐かしい。
思い出すなぁ、あれは確か…。
そして気が付けば朝だった。