産経新聞平成17年1月26日掲載 え〜美タミン NO.15

「美術館はワンダーランド」

仕事先で何よりの楽しみは、美術館巡り。
今回、仕事の合間に向かったのは、以前”横尾忠則”や"オノヨーコ"を拝観した広島市現代美術館。
さて、今回の展覧会は何?「見るための冒険」??まっ、とりあえず入ってみることに。
館内はテーマごとに分けられ、現代美術をわかりやすく展開している。
まず私の目をひいたのは「視線をみる」というコーナーに置かれた、黒い板の山。何やろぉ〜?
ふと手前を見るとピアノの丸椅子が・・・えっ、何の関係があんのん?と、視線を左の鏡に移してみると、
なんと鏡にグランドピアノが映っているではないか!!
そう、その黒い固まりが鏡に映るとピアノに見えるという、福田繁雄の作品「アンダーグランドピアノ」。
"懲り固まった視点"を変える。うん、感性がワンオクターブ上がったような気がする。
次に向かった展示室には、工事現場のように鉄骨が組まれていて、一番上にぽっかり穴が空いている。
恐る恐るその穴に頭を突っ込んでみると...うわっ、自分が霧がかった森の川のど真ん中にいる!
そして正面を見てみると、あっ、アザラシがこっち向いてる!まさに密林のカレイドスコープ。
栗林隆のインスタレーションは、いい意味での裏切りを表現し、別世界へと誘ってくれた。
あぁ、え〜旅・夢気分。
こうなりゃ、感性のアンテナがビンビン!
携帯でいうところのバリ3(アンテナ三本立ち)。
そんな私を待ち構えていたのは、「音をきく」のコーナーにある黒い鉄の部屋。
その重い扉を開くと、壁一面に時計が...!?
土屋公雄「記憶の現在 8:15a.m.August6」は、
全て違う時と音を刻んだ時計が、人それぞれの人生なんだよと語りかけてくれた。
そして出口付近のコーナーでは、「冒険」を終えた子供達が絵を書いていた。
幼い頃、映画を観た後ヒーローな気分になれたように、みんなアーティストな気分なんだ。
嬉しいな!っと、雨の中おもわずスキップして帰ってしまった広島dayでした。ヤッホー!