産経新聞平成16年12月15日掲載 え〜美タミン NO.10

「出会い、それは偶然」


作家、ミュージシャン、漫才師ーこの奇妙関係は、三年前にさかのぼる。
知人に誘われ向かったのは、大阪市内のライブハウス。
そこで私は神ワザ的なギターテクニックに度肝を抜かれた。
これが、ギタリスト、押尾コータローとの出会い。ライブ終了後、知人に連れられ楽屋へ。
「はじめまして、おかけんたです」と挨拶すると「いえ実は二回目なんですよ」。
ワチャ〜、またやってしもた・・・。

気をとりなおして「Blue skyって曲いいですねぇ〜」と私が言うと、
「あの曲、少路君っていう画家の絵から発想してできた曲なんですよ」。
へぇー、絵から曲が...。それから一ヵ月後、心斎橋アセンスでのこと。
ギャラリーの五階を覗いてみると、「浦島太郎」や「かさじぞう」を題材にした絵画展が開催されていた。
空、海、月、大地、そして、雪。

すべてに奥行きがあり、こんなに心地よく、素直に自分の中に入ってくる絵に出合えたのは久しぶりだ。
と、餌待ちのヒナのように口をポカァーンと開けていると、作家が声をかけてきてくれた。嬉しい。
ヒナでいうと餌がもらえた気分!?だ。
「空と雲には感動しました」と私が言うと「ありがとうございます。
実は私の絵を見て、押尾コータローさんがBlue skyっていう曲を作ってくれたんです」。
えっ!?Blue sky??

「あっ僕、少路和伸といいます」。・・・少路・・・あっ、思い出した!押尾さんが話してた作家や。
凄い偶然!!それから数日後のクリスマス。
ギャラリーでは押尾コータローのライブが行われ、私ももちろん足を運んだ。
そこで、いつか「少路和伸の絵」「押尾コータローのギター」「おかけんたの絵本の朗読」でライブをしよう!
と語り合ったのが、昨日のことのようです。

「今年、青森にアトリエ作ったんですよ」と先日話してくれた少路君は、硝子の少年のように輝いていた。
さぁ、押尾さんの曲をMDで聴きながら、今年も少路和伸展へ行くとしますかっ!夢をもらいに!