産経新聞平成16年12月1日掲載 え〜美タミン NO.8

「アトリエで見たものは」

先月、東京・南青山のスパイラルで『テイクアートコレクション』という展覧会が開催されました。
作家は、横尾忠則・荒木経惟、オノヨーコら総勢九十人の作家が出品。
そこで私は特別企画として会場で映像を流しながら作品を販売する
「アートTVショッピング」をやらせていただくことになりました。

参加作家は、永井英男、児嶋サコほか、二十代から三十代の若手作家四人。
九月末、その収録で大阪・泉佐野の永井英男のアトリエを訪問。
彼は以前、五メートル以上のジャイアント馬場の立体作品で、キリンアワードを受賞。
昼過ぎにアトリエにおじゃますると、ベレー帽に渡哲也バリのサングラス!?で永井が登場。
実に巨匠的な演出で笑える。
「これが出品作品、みんなの体操です!」
十五センチくらいの体操服姿の女性がモチーフ。
そこからは、なぜかホワァ〜ンとしたような和み感が・・・、癒し系だ。
「今回はおまけを付けます」。う〜んテレショップっぽい。何?
「キャンディーズのミニフュギアです」
これは素晴らしい。傑作だ!「制作日数は?」と尋ねると「いえ、コンビニの商品のおまけです」
なっなっ何っ!、マジでおまけやん!
私は、彼の感性に感銘を受けつつ、いざ京都へ。

夕暮れに児嶋サコのアトリエに到着。
そしてドアを開けた瞬間、何と本人がハムスター姿で部屋中を走り回っているではないか!?
彼女は、ハムスターをモチーフに作品を製作。

出品作品は、サコハムスターの写真パネル。実に、キュート!
そしておまけも、ハムスタージグソーパズルとハムスターづくし。
さて今回、作家のアトリエを訪問してわかったことは、作品がどう推移してきたかが、
買手にとって重要なことなんだ、ということです。

そして、その流れを今回のテレショップで紹介することができ、
なおかつ作品が売れたというのは、二人の作品を二年前から所蔵している私にとって、至福の喜びです。
こうして、作家も愛好家も共に成長していくんですねぇ。あぁ、やめられまへんわぁ、アーとは・・・。