産経新聞平成16年11月24日掲載 え〜美タミン NO.7
「アートで街が元気になった」
私の体は揺れている...。 実は今、仕事で韓国の麗水から神戸港の向かう船内にいるんです。
韓国のソウルは、キムチの匂いと、よぉーでけた電化製品!?などで彩られ、街は活気に溢れています。
今、韓国のアート界がパワフルなのも、うなずけるところです。
さて話は変わりますが数日前、豚まんとたこ焼きの匂いのする大阪で「第一回大阪ミナミ芸術祭」が開催されました。
街角には、コシノヒロコや浅野忠信など、十四組のアーティストがデザインしたTシャツが、
なんと五百円で買えるピンクのアート自販機が置かれ、地下鉄などでは車内写真展・・・と、
アート好きの私にはビンビンくるイベント内容。
そんな時、アートオークションの司会を是非!と私に声をかけてくれたのが、南船場のアーティストやクリエーターの面々。
会場は、南船場にある『WILL』というワインバーです。
当日は百五十人ものお客様が待ちわびる中、二人の艶やかなドレス姿の女性とともに私が登場。
司会代のハンマーを叩くと、ホールは一瞬にして静まり返り、「第一回ミナミ芸術祭アートオークションを開催いたしま〜す♪」と、
え〜声で宣言したとたん、会場のボルテージはフライパンのポップコーン状態。
つまり弾けまくり!宇川直宏、荒川眞一郎、FPM田中知之、間宮吉彦、ケンハマザキと、次々と作品が落札されてゆく。
そして、十分で完売したあのアート自販機で、シークレット商品として販売されていた十四種類のTシャツすべてが、何と奇跡の出品!
総額七千円のTシャツが三万円というハンマープライスで、落札されました。
何度並んでも全て揃えることが出来なかったという若者が、執念のゲット。
彼は、競り合った多数の方から祝福の拍手を受け、極上の笑顔を見せ会場をあとにしました。
開催中の一週間、ミナミは元気でした。
「アートを愛するということは、自分たちの街を愛するということ」と私は教えられました。
あのサッカーワールドカップの時、ソウルの街がひとつになったように、アートで大阪の街がひとつになる日も夢ではない・・・かも。