産経新聞平成16年10月27日掲載 え〜美タミン NO.4

「大阪のアート度は「○×」どっち?」

仕事の合間にギャラリー回りが日課になった九○年代後半。
え〜い、こうなったら街に遊ばれちゃえ〜!と友人に誘われて行ったところは、「katarina.k」という花屋さんでのワインパーティー。 
軽快なラテンミュージックが流れ、おしゃれな男女がサルサなんて踊ってて、
「えっ!?ここ花屋さんやんなぁ〜・・・ナァ・・・」と脳にエコー効果かけながらボーっとしていると、
「はじめまして、私は篭山といいます。おかけんたさんですね。アートお好きなんですよね?」。
あっ、知ってくれてる...ちょっと嬉しい気分。

「今度、青井画廊(大阪・北浜)さんの企画で私もかんでるんですけど、
心斎橋PARCOのホワイトキューブギャラリーで村上隆展やるんです。
えっ!?TV・雑誌などで引っ張りダコのあの村上隆?うわぁー楽しみだ!」
こりゃ〜初日の朝イチから並ばないと、作品をゲットできないぞ。朝イチに並ぶなんて、小学校四年の頃、記念切手を買いに郵便局で並んで以来だ。けどあの切手シートはどこにいってしまったんやろ・・・。
まっえぇかぁー。そして展覧会初日。私は朝イチにPARCOへ・・・うん?誰も並んでない・・・
一時間経過、誰も来ない・・・えっ?東京は即売やったのに・・・。
開店!ギャラリーへ走れぇー・・・着いた!あっ、いい版画。

そしてさらに奥へと進んでいくと、バックのブルーが見るも鮮やかで、
キャラクターの「DOBちゃん」が変形しているオイルキャンバスがあるではないか!あぁ、素晴らしすぎる。
値段は...高くない!これは間違いなく買いだ。いや待てよ・・・。
ここで私は大阪のアート度を測る為、賭けに出ました。
もし期間中に購入希望者がいれば、大阪のアート度があったということで○、売れなければアート度×で私が購入。
さて結果は・・・?

今や、「LOUIS VUITTON」のデザインも手掛けて世界的に有名になった村上隆の作品が、我が家に来て六年。
買えて歓心、私以外が購入せず哀感。
〜〜う〜ん、大阪頑張ろうや!そして私はさらにハマっていき、アートのアートの深海で泳ぐ深海魚と化していくのでした。